お前は俺がもらう

「もう、なにも怯えなくていい
あいつは、もういない」

「い、ない…?」

「あぁ。お前は、俺たちと
一緒に暮らすんだよ
もう、お前の家に戻らなくていい」

「ほん、と?」

自然に笑みが溢れる。
私は、また意識を手放した。



結耶は、私をベットに寝かせ
救急箱を持ってきて
消毒に包帯を巻いた。

それが終わると
捺衣の目に一粒の涙がこぼれ落ちた。

「捺衣…」

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