お前は俺がもらう
むくっと起き上がる結耶。
髪を掻き上げる。
それは、色っぽくて
寝起きすら関係なく
結耶は、綺麗で
かっこいい。
この人と今日から
一緒に暮らすなんて
恥ずかしいけど。
でも、彼のお陰で
おじさんから逃れた。
「捺衣、泣いてんのか?」
「……」
結耶は立ち上がり
私のそばまできて
私を抱き締めた。
「ゆ、うやっ」
私も結耶を強く強く抱き締め返した。
私が求めていた
この家のみんなと
結耶の温もり。
私は、また涙を溢した。
「話せるように
なったら話せ
俺でもいい。
楊でもいいから
はけばいい。」
「う、ん…」
結耶は、私を見つめ
頭をポンポンと撫でた。