ヤンキー少女は純情ちゃん!
……いや。それはないか。
慎弥も部屋に入ったからあたしも入ろうとすると入り口で立ち止まってる慎弥に当たりそうになった。
「……っと。あぶね…っ。慎弥立ち止まるなよ」
「……や、わり。…メルヘンチック…」
メルヘンチック?何が?
…………ん?ああっ!
「あたしの部屋が?」
「ん。……意外」
意外、って……
あたしは慎弥の中ではどうなってるんだろう。
「……そんなメルヘンではないと思うけど。あたし結構かわいいの好きだし」
「………ふーん」
「てか入り口に立ち止まってないで中入ってよ。暑ぃ…」
まだ初夏だというのに、この暑さは異常だ。
溶けてなくなってしまいそうだ。
そんなことを考えてるといきなり慎弥が
「……てかさ楓。俺も男なんだけど?」
と突拍子もないことを言い出した。