ヤンキー少女は純情ちゃん!
「…楓分かってる?楓は女で俺は男だ」
「だから……っ、そんなの知ってる!」
あたしなりに反抗しながら、おもいっきり慎弥の胸元を押してみるけど動く気配は全くない。
これが男と女の差なんだな、と思うと少し悲しくなった。
「……だから。いつ襲われてもおかしくないって言ってんの」
“いつ襲われてもおかしくない”、か……
「……そんなの、分かんないじゃん。あたしは、心配ないし」
そんなあたしを見て慎弥はため息をはいた。
「……心配ないわけないだろ。今こうやって楓は俺に「あたしは空龍だから」」
慎弥の言葉を遮り、あたしは自分自身が傷つくことを言う。
「あたしは……!空龍、だから襲われる心配なんてない。誰も…近づきすらしないんだから……っ!」