ヤンキー少女は純情ちゃん！

「……ちょっ！楓なんでまた泣く？」


滅多に見れない慎弥の慌てた顔がおもしろくて、泣きながら笑ってしまった。


「……泣くか笑うかどっちかにしろよ…」


ため息まじりにそう言う慎弥がおもしろくて、嬉しくて。


止まりかけた涙はまた目尻を伝った。


「……ふっ…うっ…うえーー」


いきなり子供みたいに泣き出したあたしを見て、慌てながら苦笑まじりに頭を撫でてくれる。


その不器用な優しさが温かくて、心のもやが晴れた気がした。




──────…



「……泣き止んだか？」


「ん……。迷惑をお掛けしました」


今頃になって子供みたいに泣きじゃくった自分が恥ずかしくなって俯いた。


「……ふっ。やっぱ楓も子供だな」


そんな嬉しくないことを言ってくれた慎弥を思わず見上げてしまい目がぱっちり合ってしまった。