ヤンキー少女は純情ちゃん!



「…慎弥が眠たいって言ったからでしょー?」


さっきのお返しにため息まじりでそう言ってやった。


でも、慎弥は全く気にする素振りも見せず。


「……そだった。んじゃベッド借りるわ。…おやすみ」


「あ、…う、うん」


慎弥はあっさり布団に潜り込みすぐに寝息をたて始めた。


……なんなんだ。

無駄に調子が狂う。


あたしがあたしじゃなくなりそうで怖い。


てか!人前で泣くとか最低ー!


1人で格闘していると段々眠くなってきた。


あたしっていつでもどこでもどんな状況でも寝れるよなー、と思いながら深い眠りへとおちていった。





────────…


「………えで。────か……!」


───誰かが呼んでる。


誰?あたしはまだ寝たいのに。


少し意識が朦朧としながらも誰かを確認しようとしたけどまた深い眠りへとおちそうになった。


「───楓!」


今までより一段と大きな声にびっくりして意識が連れ戻された。



< 222 / 311 >

この作品をシェア

pagetop