ヤンキー少女は純情ちゃん!
2階には下っぱの聖は上がって来ない。てか上がって来ちゃいけない。
2階は幹部だけ、というよく分からないきまりがあるらしく、あたしも下っぱ時代は1度も上がったことはない。
あたしは自分用のソファーに座ると一気に脱力した。
「つ、つかれた……」
ぐったりとソファーにもたれかかっていると千春は傍に寄ってきてなでなでしてくれた。
「ははっ。楓お疲れ」
「あうー……千春はあたしの癒しだぁー…」
「楓は俺の癒しだよ♪」
あたしの言葉に乱入してきたのは祥。
「あー…うん。ありがとー」
「え、ちょ、何その棒読み!」
ノリツッコミの得意(?)な祥はわざわざ棒読み部分にツッコミを入れた。
「……てか今日から夏休みだけどさ、初日から暇過ぎるんですけど」
「確かになぁ……」
あたしの言葉に同意の意志を示してくれる千春。