ヤンキー少女は純情ちゃん!
「無視しないでよ!……でも確かに暇だぁー…」
祥も暇みたいだ。
「……右に同じく」
………智も。
「……てか智さ、祥の左側に座ってんじゃん。そこは左に同じくじゃない?」
「……右のが響きいいし」
「そういう問題かよ」
なんかいろいろ吹っ飛んでるよ。
「……どっか遊びに行く?」
千春の提案にキラキラ効果音が鳴りそうな目をしだした祥。
「千春さん俺海!海行きたい!」
「……海、か。いいんじゃない?」
「却下!」
いいんじゃない?って言ったのは千春。
却下!はあたしだ。
「えぇーっ!なーんーでー!?」
「焼ける!暑い!水着ない!……それに泳げないし」
「え!楓泳げないの!?意外!」
やっと2階に上がって来た悠に驚かれた。
あたしは泳げるように見えてるのか?
嬉しいけど複雑……
「……水着ぐらい買えよ。俺が選んでやる」
今まで黙ってみんなの会話を聞いていた智が口を挟んだ。
「……全力で遠慮させていただきます」
「……なんで」
そりゃ、
「海行きたくないから」