ヤンキー少女は純情ちゃん!



「却下」


即否定されたあたしに拒否権はないらしい。


「……楓の水着は智が買うとして。日にちはいつぐらいがいい?」


「一週間後ぐらいで良くね?」


「じゃ、一週間後。智、楓の水着は頼んだ」


「……ああ」


あたし抜きで進められて行く話。


「あたしマジで行きたくな「ダメだよ。楓は俺と一緒に海行くの!」」



………遮られた。





─────────……



こうして待ちに待った一週間後……ではない、あたしにとったら悪夢の日の朝が来た。





「……で。なんで青鬼がいんの?しかも雅輝と隆斗もいるし。何より………な・ん・でっ!拓巳までいるんだよ!」


「青鬼は俺が誘ったんだ」


ニコニコ笑顔で言ったのは千春。


「雅輝と隆斗は俺ー」


……うん。


天龍で雅輝たちと仲良いのは祥とあたしだけだしね。



「……拓巳は?」


「……勝手についてきたに決まってんだろ」


「楓は俺のだ!」


……拓巳のじゃないし。


心底めんどくさそうな智はスタスタ歩き出した。



が、すぐに止まりあたしの前に袋を突き出した。



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