ヤンキー少女は純情ちゃん!
「……何これ」
「水着」
そういや智が買うって言ってたなぁ……
「あたし着たくな「却下」」
智に遮られ、着なかったら分かってるだろうな?、という無言の威圧を感じた。
しぶしぶ男たちと別れ、更衣室に向かった。
袋の中身をそろーっと覗いてみた。
ら、思わず絶句してしまった。
「……マジかよ…」
少し、ほんのすこーしだけ、智に殺意が芽生えた。
水着だけだと焼けるし、恥ずかしいから膝上10㎝のロングパーカーを着て、日焼け止めも塗ってから更衣室を出た。
「あっつ………てかあいつらどこだよ…」
男たちが見当たらずキョロキョロしてると女ばかりの人だかりを見つけた。
「……めんどくさ」
逆ナンとかする女の嫉妬はめんどくさい。
何回見知らぬ女に平手打ちされそうになったか。
「はぁ……いざ、とつにゅー」
周りから見ると変な子だが気にならない。
どうせあいつらといたら目立つし。
女の人だかりを掻き分けて中心に行き、すぐそこにいた悠の腕をガシッと掴んだ。