ヤンキー少女は純情ちゃん!
「……あんたらいつもいつも逆ナンされるのやめてくれない?」
「楓!た、助かったぁ……」
何が助かっただ!
あたしは女共の視線が突き刺さって痛いっつうの!
あたしの登場で女はつまらなそうに散っていった。
「……楓なんでパーカー着てんだよ」
「恥ずかしいから?」
「疑問系かよ。脱げよ」
なぜか脱げ、とか言ってくる智。
「無理。てか智なんでこんな水着なんだよ。ありえねぇ」
あたしがこう言うとニヤリ、と智は笑った。
「……楓脱げよ。それとも……脱がしてやろうか?」
「結構です!……分かったよ、自分で脱ぐ」
あたしの返事に満足そうな智は目で早くしろ、と催促してくる。
視線を感じながらもチャックに手をかけ、勢いで脱いだ。
するとまさかの沈黙。
「黙るなよ……似合わないことぐらい知ってるし」
パーカーを着ようとすると藍都が飛び付いてきた。
「逆だよぉー。楓めっちゃ似合ってる!セクシーだけどかわいい!」
抱き締められてるのと褒められたのとで顔が赤くなるのが自分でも分かった。