ヤンキー少女は純情ちゃん!
蘭の言葉にぐっ、と言葉を詰まらせる拓巳。
「……俺は……楓が好きだから。蘭さんにも拓巳にも楓は渡さない」
蘭と拓巳の会話に口を挟んだのは祥で、瞳からは強い決意が感じられた。
「……え。嘘っ!祥楓好きだったの!?」
場の雰囲気に似合わない大声を出したのは悠だ。
「……悠知らなかったの?」
「……あからさまだったじゃねぇかよ。鈍感過ぎだろ」
「え!?千春も智も知ってたの!?」
嘘だぁー…と嘆いてる悠を見てみぬふりをしている男たち。
「……祥であろうとも俺は手加減しねぇ」
「臨むところですよ、蘭さん」
「祥なんかに楓は渡さねぇ!」
「俺も拓巳には楓は渡さない」
この3人の会話を聞いて楽しそうにニヤリ、と笑っている人が1人。
「……兄貴。悪い顔になってるけど」
「いや、だって楽しそうだろ?あれ」
「まぁ……」
「他にもライバルが出そうだし後々楽しみだよな」
「………兄貴って本当に腹黒いよな…」