ヤンキー少女は純情ちゃん!
──楓side──
その頃楓は。
「───…ひまー。やることないー」
勢いに任せて走るんじゃなかったな……
暇過ぎてやばい。
砂浜をずっと歩いていた楓の白い肌はジリジリと焼かれつつあった。
「……本当に暇だし。焼けて肌痛ぇー…」
俯きながら歩いているとふっ、と楓の体は影に包まれた。
びっくりして顔を上げるとチャラい男が3人。
「おっ。当たりじゃーん。めっちゃかわいくね?」
金髪のピアスをじゃらじゃら着けた男が口を開いた。
……知り合いだっけ?
「ラッキーだな、おい。ねぇ、1人なら俺らと一緒に遊ばない?」
茶髪のまたもやピアスをじゃらじゃら着けた男がそう言ってきた。
「……1人じゃない」
「えー、でも今1人じゃん?」
金髪男はああ言えばこう言うといった感じで引き下がる雰囲気はない。
あたしはこんな金髪と茶髪には興味ない。
この2人の連れと思われる黒髪はめんどくさそうに2人の後ろに立っている。
「………あのさ」
「え?なになに?」
「茶髪男には言ってない。おい、黒髪。てめぇぼーとしてねぇで助けてくれても良くねぇ?」
「……は?」