ヤンキー少女は純情ちゃん!
初めて言葉を発した黒髪は、何言ってんだこいつ、って目で見てきたけどそんなことを気にするあたしじゃない。
「は?じゃなくて。こいつらめんどくせぇから助けろっつってんの」
「……知らねぇよ。自分でなんとかしろ」
うわ、こいつ絶対モテないわ。
女心分かってなさすぎ。
女ってのはさりげない優しさに弱いんだから。
黒髪をじっと見ていると横から声が聞こえた。
「俺ら忘れんなよー。じゃあ行こうぜ」
“じゃあ”!?
じゃあの意味が分かんねぇ。
そんなことを考えてると金髪男に肩を抱かれた。
「……きも」
思わず口走ってしまった言葉。
急いで口を塞いだけど時すでに遅し。
「んだと?こっちが下手に出てやってるのをいいことに好き勝手言いやがって」
「調子乗んなよ、女」
いきなりキレた金髪と茶髪。
めんどくさい………
そんなときに救世主。
「あー!楓だぁ!か・え・でー♪」
若干うるさいが救世主には変わりない。
「………藍都」
「もぉー。ちょー探したんだからね!」
ぷうっと頬を膨らましてる藍都は女顔負けないぐらいかわいい。
「……楓ちゃん、なんでナンパされてるんですか」