ヤンキー少女は純情ちゃん!
「つうかよ。楓口悪ぃな。女が口悪ぃのはダメだろ」
「あたしの勝手だろ。男兄弟で育つとこうなるんだ」
初対面でいきなり口悪いとか言われたくないんだけど。
唯と他愛ない会話をしていると少しずつ茶髪と金髪が遠ざかっていく。
「てかさ、おい茶髪と金髪。てめぇら何逃げようとしてんだ。こんのボケナス」
「ボケナス……っ。ぶはっ!…あははっ」
あたしは唯のツボが分からない。
なんでボケナスで笑うんだ。
考え込んでいると金髪と茶髪が口を開いた。
「…いやー、俺らいない方がいいかな、と思いまして」
「俺らは帰ろうかなー、と」
「ふっ「ふざけないでください。君たちには楓ちゃんをナンパした罰をちゃんと受けてもらいますから」」
あたしの言葉を遮り、笑顔で怖いことを言う薫。
そんな薫を見て唯は小声であたしに疑問を投げ掛けた。
「もしかして俺も?」
「……たぶん。一緒にいたしな」
唯は小さくため息をつき
「だからナンパはめんどくせぇからやめようっつったのに」
と言った。
「……どんまいだな。相手が悪かったんだよ」
「まぁ…楓と知り合えたしいいわ」
もう一度小さくため息をつき、こう言った。