ヤンキー少女は純情ちゃん!
さらっと恥ずかしいこと言えるなんて尊敬するわ。
「…なんだよ。こいつ恥ずかしいやつだなー、って目で見て来やがって」
「……うん」
「会話繋がってないんですが」
「……唯って意外におしゃべりだよね」
黒髪だし雰囲気も落ち着いた感じだからクールだと思ってたのにおしゃべりだしよく笑うし。
「バカにしてんの?俺だって喋るし」
「だよね……」
唯とこんな会話をしていると遠くから無駄に輝きを放っている男集団がこっちに向かって来ている。
「………あ」
「どした、楓」
「……無駄に輝きを放っているやつらが…」
「………おお…」
2人でじっと集団を見ているとその集団の中の1人が大きく手を振ってきた。
……恥ずかしいやつ。
見てるこっちが恥ずかしくなることを平気でやってのけている祥。
呆れて祥を見ていると横から唯に声をかけられた。
「楓知り合い?すっげー楓に向かって手、振ってるけど…」
「残念ながらね……」
ため息混じりにそう零すと唯から苦笑いが返ってきた。
「…愛されてんな、楓」
「……どうだか」
正直、愛してるとか愛されてるとか、よく分からない。