ヤンキー少女は純情ちゃん!
好き、とかよく分からないし恋愛も分からない。
「楓ー!いーたぁー!」
祥の声が大きすぎて耳がキーンっとなった。
「………どわっ」
祥に突撃され、女らしからぬ声がでた。
「楓、どわって(笑)」
「唯うるせぇ…」
キッと唯を睨むと倍返しされた。
普通倍返しとかすんなよ!と思っていると、誰かがベリッとあたしから祥を引き剥がした。
「楓、無事だったか。……でその男たちは誰だ」
誰、と言われましても……
「んー……知らない」
「楓の友達じゃねぇのかよ」
唯を指差してそう言ったのは智。
「……智。人を指差すな」
「……はいはい。楓はいちいち細けぇんだよ」
「…年上に向かって偉そうにすんなよ…」
すると横からいきなり
「年上………って?」
と唯が口を挟んできた。
「んー?あたし」
「え!?明らか楓のが年下に見える……楓いくつ?」
「失礼だな、おい。……あたしは今年16歳だけど?」
「……同い年!?」
びっくりしたように声を上げた唯。
口が半開きだ。
せっかくイケメンなのにもったいない。