ヤンキー少女は純情ちゃん!



まず、口を開いたのは見た目優男、中身腹黒の千春。


「……へぇ。ナンパ、ねぇ…」


顔はにっこり笑ってるのに目は全く笑ってない。


「ちょ、ちは……」

「俺らの姫の楓によくも」

「…しょ」

「覚悟はできてんのか?ガキども」

「はるっ」

「……バカどもめが」


…っどいつもこいつも人の話を聞けよ!


「人の話を聞きやがれアホどもがぁ!」


ちょ、ちょっと大声で言い過ぎたかな。


はぁはぁ、と息が上がり、肩で息をした。


「……楓いきなり大声出してどした?頭打ったか?」


「打ってねぇわ!人の!話を!聞け!…ぶっつぶすぞ」


最後は自分でもびっくりするくらい低い声になった。


「…楓お前ほんとに女かよ?」

「智うるっさい!あのねぇさっきからナンパって騒いでるけど、ナンパ野郎はその金髪と茶髪!唯は後ろに立ってただけ!」



唯について弁解したはいいけど、ナンパ野郎呼ばわりされた金髪と茶髪は真っ青だ。


そりゃあ、でっかくて頭カラフルないかにもヤンキーって人たちに睨まれたら真っ青にもなりたくなるよね。



……どんまい、金髪と茶髪。



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