モラルハザード
これ以上、話しが続くと、綻びが出てきそうなので
自分から話しを切り上げた。
「うん、そうなんんだ、私も斗夢がお友達のうちにいるから早く
帰らなきゃ。じゃあね、奈美ちゃん。お互い、大したことにならなくて
よかったね」
そうね、ホントにね~
と空々しい相槌を打って、真琴と別れた。
それから、警察署の玄関に入る時、ちょっと深呼吸して
後ろを振り返ると
髪をなびかせて、歩く真琴の姿があった。
いいわね…心配ごとなど、微塵もないんでしょ。
その後ろ姿が憎らしかった。
私なんて、これから…
陽介が警察に逮捕されたのを知ったのは、昨日の夜だった。