モラルハザード
「杏子さん、あのね、山下先生のお茶会に参加するには…」
「薫さん、単刀直入に言っていただきたいわ。
地位とか資格とか、私には欠けているとは思えない。
でも、ただひとつ、なかったといえば
チャンスがなかったわ。
山下先生への人脈がなかった…それだけのことでしょ」
まどろっこしい話で、これ以上、バカにされたくない。
私が、あのプレ青葉で、「下」にされているなんて認めない。
「…ええ、そうね、だから、滝沢さんをと…私は思ったの」
「薫さん、いったい、何かしら?山下先生のお茶会の参加要件って」
『奥の手』と聞こうとしたが、言葉を変えた。
「杏子さん、私たち、山下先生のお茶会に入会するにあたって、最初にお茶代というのを
山下先生にお渡ししたの。あ、それは、あくまで、私たちからのお礼と気持ちというものなの」
予感は当たった。