モラルハザード


「お待たせ、なんだか楽しそうだな」


いろいろ思いをめぐらせていたら

あっという間に時間になったみたい。

亮太が店に入って来たことにも気が付かなかった…


「…あ、お疲れ様勤務は大丈夫なの?」

「うん、この後、15時くらいまでは診察も入ってないし」


ラルフローレンのカジュアルシャツをさらっと着こなしている亮太はさっきまで白衣を着ていたのだ。


そんな亮太の装いに満足しながら

「でもさ、せっかく、ランチに来たけど
ついさっき、私、パンケーキを食べたところなの」

といい、肩をすくめた。


「でも、ここのパスタは別腹だろ」

亮太は、いたずらっぽく笑い

ウェイターを呼んで、恋人どうしだったあの頃よく食べたパスタをオーダした。



とっても気分のいいランチになるはずだった。

それが、そうでなくなったのは

デザートを食べ終え、ウエイターがエスプレッソを運んできた後だった。



「…どういうこと?なんで勝手に決めるの?」






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