オレ様になりたくて…。
「どうします?」

って爽やかくんに言われてハッとした

「気になりますか?あの二人」

とニヤリと笑う爽やかくん

「んな訳ねぇ、じゃなくて…そんな訳ないですよ」

「難波さん、見た目は綺麗系なのに話すとかわいいね?太一が夢中になる訳だ」

「何、言ってんですか…」

爽やかくんは結城広大(ゆうきこうだい)さんといって、年はアタシよりも一つ上だった

落ち着いた爽やかな結城さんがどうしてチャラ男なんかとツレなのか、今一理解できなかった

「僕も多少は乗れるんですけど、太一ほどの腕前ではないので、よければトレーナーに頼んで一緒に教えてもらいましょうか?」

アタシはその提案に乗ることにした

トレーナーに教えてもらったお陰でしばらくすると、私もそれなりに乗れるようになってきた




「じゃあ、少し周りますか?」

と結城さん

ゆっくりと広がる芝生を進んでいくと

5月の優しい風が吹き抜けていく

思えばこんな風に堂々と風を感じるのはいつぶりだろうと思う


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