求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


こんな毎日だから、ドラマなどは見ない、TVはニュースばかりだ。



だから、夕方ぶつかってしまった滝沢が有名俳優などとは全く気が付かず、ずいぶんと丁寧というか心配性の方なのか?秘書らしき人を連れてたし起業家?自分のは無いのかしら?…などと貰った名刺を手帳にしまいながら思ったくらいだった。



名刺には“SH.co. manager 相川豊”とあり、裏に手書きで滝沢の名前と連絡先があったため、仕事が何であるかは全く分からなかった。


しばらくニュースを見ながら雑用をこなし、自分へのご褒美の顔のマッサージやストレッチを済ませると、0時半ころ紗彩の待つベッドに入って眠りについた。



今日の、出逢いは彩乃にとってはほんの小さな出来事で、数日も経てばきっと忘れてしまう、はずだった…



すやすやと寝ている七谷親子は気がつかなかったが…今夜は風が強く吹いていた…まるで明日何かあると予感させるような、そんな春の風が…。





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