【砂漠の星に見る夢】

イシスはネフェルと別れた後、弾んだ足取りで家路を急いだ。


眩しいほどの夕陽にそっと脚を止めて、黄金に縁取られた白亜の宮殿に目を向けた。


息を呑むほどに美しい宮殿。


信じられない。


明日、私はあそこにお嫁に行って、生活をするんだ。


そう、ネフェルの奥さんになるんだ!


胸に熱いものが込み上がる。


両親と離れる寂しさや、宮殿に嫁ぐ不安はあったが、何より期待と嬉しさで溢れんばかりだった。


――今日こそ両親にちゃんと報告しなきゃ。



本当に今更な話だけど……とイシスは肩をすぼめ、そして小さく笑った。



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