【砂漠の星に見る夢】
父と母はイシスの腕をグッとつかみ、
「イシス、あんた、王子様に見初められるなんて身に覚えがあることなのかい?」
と心配そうに目を細めながらそう訊ねた。
「う、うん、実は前からプロポーズされてたの。今日ちゃんと話そうと思ってたんだけど」
頬が熱くなることを感じながらそう告げると、両親はとびきりの笑みを浮かべた。
「そ、そうかい。それなら良かった!」
「イシス、幸せになるんだぞ」
両親は目に涙を浮かべ、イシスを強く抱きしめた。
「ありがとう、直前まで黙っててごめんなさい」
イシスも目に涙を浮かべながら両親を抱き返した。
「それでは、イシス様」
せかすようにそう告げた侍女にイシスは慌てて頷き、両親とは別の馬車に乗って宮殿へと向かうこととなった。
なんだか慌しい感じ……親と一緒の馬車に乗って、もっと色々話したかったな。
突然こんな形で知らせてしまうことになって、混乱しただろうに。
イシスは近付く宮殿を眺めながら、事前に説明をしていなかったことを後悔していた。