【砂漠の星に見る夢】

落ち着かない気分を紛らわすように3フロア分くらいありそうな高い天井を見上げ感嘆の息をつき、黄金のイシス像を見て、あれはネフェルが用意してくれたのかしら、と小さく笑みを浮かべていた。


「イシス様、ご入浴の準備が整いました」


跪きながらそう告げた侍女に、


「これから、お風呂に入るの?」

とイシスは目を丸くした。


「はい、私どもが洗わせて頂きますので」


その言葉にイシスは更に目を丸くし、慌てて首を振った。


「いえ、結構です。一人で入れますから!」


「それでは、どうぞこちらへ」


大きな窓の横にある扉から外のテラスに出て、小さな階段を下りた所の東屋が浴室だった。


露天風呂となっているのだが、壁に囲まれている為、外から見られることはなさそうだった。


大きく豪華な大理石の浴室の浴槽には、たくさんの薔薇が浮き、真珠が入っていた。


うわぁ、真珠のお風呂、さすが宮殿のお風呂だわ。


心底感心しつつ、浴槽に入りながら、


それにしても、なんだか変な感じよね?


ネフェルはどうして姿を現さないのかしら。


不審感を拭えぬまま入浴を済ませ、侍女が用意していた赤いドレスを身に纏った。


ドレスを着終えると、侍女たちは素早くイシスの髪を整え、メークを施した。


真っ赤なドレスを身にまとい黄金の冠を頭上に乗せ、メークを施したイシスの姿は溜息が出るほどに美しく、侍女達はその姿を見て熱い息をついた。



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