【砂漠の星に見る夢】
「それではイシス様、お部屋にお戻りになって、ソファーにかけてお待ちください」
「はい」
イシスは侍女の指示通り、再び先ほどのソファーに腰をかけた。
「イシス様、何かお飲みになりますか?」
笑顔でそう訊ねる侍女に、イシスは苦笑を浮かべた。
「あの……『様』なんてつけないでください。イシスで結構ですから」
侍女達は驚いたように目を丸くし、顔を見合わせた。
「そういうわけには参りませんわ。イシス様は妃になられる方。私どもとは身分が違います」
「そうですよ、イシス様」
と口々にそう言う侍女達に、イシスは思わず笑った。
「身分なんて……私は鍛冶屋の娘よ。それに齢だってあなた達とそう変わらないと思うわ。だから気にせずイシスって呼んでください」
そんなイシスに、侍女達はまた顔を見合わせ「イシス様ったら」と笑った。