【砂漠の星に見る夢】

「お前はあの下賎な外国宗教派の王子の元に嫁ぐのではない。私の偉大な息子クフ王子の妻となるのです」


その言葉に、イシスは一瞬何を言われたか分からず、ただ目を見開いた。


私がクフ王子の妻に?


どうしてそんな!


そう叫びたかったが、声が出なかった。


身体が動かず、声も出せないイシスを前に、ヘレスはクスクス笑った。


「そなたは先程、麻痺薬を飲みました。しばらくは体も動かせないし声も出せないでしょう。でも、それは数時間で治ります。痺れている間、意識もしっかりありますよ。うんとクフ王子に愛される記憶をその体と心に刻み付けるといいです」


そう言ってイシスの頬を撫でた。


今、なん……て?


クフ王子に愛される?


これからクフ王子の妻になるというの?


そんな目に遭うくらいなら、死んだほうがマシだわ!


意に添わぬ男の妻になるなんて!


そんな覚悟を胸に、ヘレスを睨みつけると、「気の強そうな娘だこと」とヘレスは愉快そうに目を細めた。



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