【砂漠の星に見る夢】

「そなたの両親は、とある場所で最高の接待を受けています。これからも最高の待遇を与えるつもりです。
ですがそなたが自ら命を絶ったり、クフ王子に失礼を働いたとなると話は別です。両親の手足を切り、滑稽な人形のような姿にした上で、さらし者します」



ヘレスは冷たい目でイシスを見据えながらそう言い放ち、


「両親をそんなに遭わせたくはないでしょう?」


と次の瞬間、まるで女神のような笑みを浮かべた。


その微笑みに、イシスの背筋に寒気が走った。


冷酷極まりない処分をくだすヘレスの悪評はイシスの耳にも届いていたからだ。
私が自ら命を絶ったならば間違いなく両親は死よりも重い罰を与えられてしまうだろう。


手足を切られて、さらし者にされるなんて……。


悔しさとやりきれなさに、ギュッと目を瞑り、絶望に打ちひしがれるイシスを見て、ヘレスは楽しげに笑った。


「それにしてもイシス、そなたはなんて美しいのでしょう、本当にいい手駒が手に入ったと嬉しく思っているのですよ」


とまた高らかに笑い、侍女たちを見て、


「イシスをベッドに運びなさい、もうすぐ王子がここに来ます」


と強い口調で指示した。


侍女達は「かしこまりました」と一礼し、動けないイシスを部屋の隅のカーテンで仕切られたベッドに運んだ。


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