【砂漠の星に見る夢】
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イシスを迎えに行った宮殿の使者は血相を変えてネフェルの元に駆け寄った。


「イシス様のお宅は家具一つない、もぬけの殻の状態でした」


そう報告されたネフェルは目を見開き、「なんだって?」と声を上げた。


玉座に座るファラオは不穏な様子に眉をひそめてネフェルを見た。


「妻に選んだ女はどうしたのだ?ネフェル」


メルサンクは心配そうにネフェルを見つめ、ヘレスは人知れずクスクス笑っていた。


ネフェルは弱ったように顔をしかめたあと、すぐさま跪いた。


「今から連れて参りますので、今しばらくお待ちください」


「では、待とう。……日が沈むまでに連れてくることが出来なければ、私の選んだ大臣の娘ターナと結婚することを誓うな」


ファラオはそう言って真っ直ぐにネフェルを見詰め、その背後で大臣の娘ターナはファラオの背後で切ない表情を浮かべたまま、ジッとネフェルを見ていた。


ネフェルはゴクリと息を飲んだあと跪き、「誓います」と頭を下げた。


「では、行くが良い」


ファラオの許可を得て、ネフェルは宮殿を飛び出した。


そんなネフェルの姿にヘレスは高らかに笑った。


そなたの探している女は、まだクフ王子のベッドの中にいようぞ。


せいぜい疲れきるまで、探し回るがいい。


ヘレスは楽しくたまらないかのように祝い酒を口にした。

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