【砂漠の星に見る夢】
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老人は大きな息をついた後、遠い目を見せた。
「――そうしてネフェルは日が沈むギリギリまでイシスを探し続けました。町中を駆け回り、ナイル川岸や二人だけの教会まで探し回りましたが、イシスの姿はどこにもありませんでした。そして使い者の言葉通りイシスの家は家具一つないもぬけの殻でした。
……そうして日が沈み、ネフェルはどうしてイシスが姿を消してしまったのか解せないまま宮殿に戻りました。忽然と姿を消してしまったのは、自分との結婚を考え直してしまったのだろう、と絶望を抱いたのです……」
その言葉に「そんな」と切なさとやりきれなさに顔を歪ませた。
「それじゃあ、ネフェルは?」
「……ファラオである父との誓いは『絶対』であり、その約束どおり、その日ネフェルは大臣の娘ターナと婚姻を結ぶこととなったのです」
そう告げた老人に、雄太は「なんだよ」と悔しそうに舌打ちした。
「それでその後、イシスは?」
目に涙を浮かぶことを感じながらそう訊ねると、老人は切なげに目を細めた。
「クフ王子から惜しげもない寵愛を受けながらも、逃げることも死ぬことも許されず、侍女や番人以外、誰の目に触れることもなく、まるで抜け殻のようにひっそりと離宮で生活していました。
そうして、5年の歳月が経ったのです」
その言葉に二人はゴクリと息を呑んだ。
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老人は大きな息をついた後、遠い目を見せた。
「――そうしてネフェルは日が沈むギリギリまでイシスを探し続けました。町中を駆け回り、ナイル川岸や二人だけの教会まで探し回りましたが、イシスの姿はどこにもありませんでした。そして使い者の言葉通りイシスの家は家具一つないもぬけの殻でした。
……そうして日が沈み、ネフェルはどうしてイシスが姿を消してしまったのか解せないまま宮殿に戻りました。忽然と姿を消してしまったのは、自分との結婚を考え直してしまったのだろう、と絶望を抱いたのです……」
その言葉に「そんな」と切なさとやりきれなさに顔を歪ませた。
「それじゃあ、ネフェルは?」
「……ファラオである父との誓いは『絶対』であり、その約束どおり、その日ネフェルは大臣の娘ターナと婚姻を結ぶこととなったのです」
そう告げた老人に、雄太は「なんだよ」と悔しそうに舌打ちした。
「それでその後、イシスは?」
目に涙を浮かぶことを感じながらそう訊ねると、老人は切なげに目を細めた。
「クフ王子から惜しげもない寵愛を受けながらも、逃げることも死ぬことも許されず、侍女や番人以外、誰の目に触れることもなく、まるで抜け殻のようにひっそりと離宮で生活していました。
そうして、5年の歳月が経ったのです」
その言葉に二人はゴクリと息を呑んだ。