【砂漠の星に見る夢】
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イシスはベッドに横たわりながら、嫌な予感を隠せずにいた。


食べ物も受け付けず、嘔吐を繰り返す。


これはストレスも手伝っているのだが、原因は明らかに思えた。


そして、その原因を思うと身の毛もよだつ気持ちでいた。


―――駄目だわ、外の風に当たろう。


ゆっくりと身を起こしバルコニーに向かうと、心地よい風がイシスの髪を撫でた。


このまま風に流されてどこか遠くにいけたら……。


砂漠の向こうに、小山のようなピラミッドの姿が見える。


赤のピラミッド。


ネフェルがファラオ・スネフェル王の為に建造したピラミッドだ。


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