【砂漠の星に見る夢】
「母上には迷惑をかけてしまうかもしれませんが……」
すまなそうなネフェルの声に、ターナの額に冷たい汗が滲んだ。
「私のことは気にしなくて良い。その決意も星の導きでしょう。
それにしても豪快な決断ですこと。くれぐれも、大きな責任を背負っていることを忘れずに」
メルサンクは釘を刺すように、強い口調でそういった。
本当にネフェル様は、あの方と逃亡するつもりでいるんだ。
私とヘムオンを捨てて……。
ターナは近くにいた侍女に向かい、
「小さなカップを二つ用意してください」
と息を荒くしながらそう告げた。
この薬で、ネフェル様をつなぎとめておけるなら。
ターナは懐から小瓶を取り出し、受け取った黄金のカップに薬を入れた。
小さな水疱が浮かんだ、甘い香りのする薬だった。
胸に手を当てて息をつき、「失礼します」とターナは二人の前に姿を現した。