【砂漠の星に見る夢】
「では、そろそろ、失礼するよ。ターナにもすべてを伝えなければならない」
その言葉にイシスは目を伏せ、「ターナ様、きっと驚かれるでしょうね」と、すまなそうに低い声でそう呟いた。
「分かってもらうつもりだ。色々つらい思いや、我慢をさせることになってしまうけれど、それでも僕はこの道を選んだから、全力で皆を幸せにするつもりだよ」
ネフェルはそう告げたあと『グッ』と息を漏らし、口を手に当て床に跪いた。
「ネフェル?」
イシスが駆け寄ると、ネフェルは顔をしかめたまま、『この部屋で倒れるわけにはいかない』と引きずるように部屋を出た。
そして通路に出た瞬間、口から大量の血を吹き出した。
イシスと番人のカイは、目を見開いた。
「ネフェル?」
「ネフェル様!」
ネフェルは口に手を当てながら、ターナに渡されたあの時の薬か……、と顔を歪ませた。
……毒を盛られるほどに悩ませていたとは、可哀想なことをした。
「ネフェル、ネフェル!誰か医者を!」
自分の体を揺するイシスの姿に、ネフェルは目を細めた。