【砂漠の星に見る夢】
大柄なカイは豪快に笑い、
「お安い御用ですよ。それにしても、相変わらずやんちゃな王子たちだ」
と愉快そうに目を細めた。
「ジェドフラーはヘムオンの後をくっついて歩いているだけよ。そしてヘムオンは間違いなく父親の血ね」
イシスは困ったように腕を組みつつ、ネフェルの姿を思い起こし口元を緩ませた。
「そうですね、ヘムオン様はネフェル様に瓜二つです」
カイもネフェルの姿思い浮かべ、目を細めた。
輝くばかりの金髪の巻き毛に、褐色の肌、そして吸い込まれるような緑の瞳。
11歳になるヘムオンは、ネフェルの生き写しだった。
「やんちゃなところや無謀なところはそっくりよ。そして彼よりも……」
そこまで言って口をつぐんだイシスに、
「ヘムオン様は、あのネフェル様よりも聡明でいらっしゃいますね。
家老がヘムオン様のことを千年に一人の天才とおっしゃっていましたよ」とカイが続きをそう告げた。
「あまりに優秀なのは心配だわ。嫉妬や猜疑心は恐ろしいものよ。命を狙われるようなことがあったら……」
イシスは顔をしかめ、毒を盛られて死んだネフェルの姿を思い起こし身震いした。
「この離宮ではあの子を守れても、宮殿の外では危険は常につきもの。どうか早く連れ戻してください」
目を潤ませながらそう告げたイシスに、「お任せください」と跪いた。