【砂漠の星に見る夢】
「いくつになった?」
「11です」
「まだ、11でその堂々としたオーラは父親譲り、もしくは父親以上かもしれないな。それに、外見は瓜二つだ」
クフはそう言ってホールの隅に立つイシスに視線を送り、
「イシス、そなたも嬉しいであろう? ヘムオンがこんなにも兄上そっくりに育つとは、もう数年経てば、そなたの相手もできるかもしれないぞ」
と顔を歪ませながら笑った。
「……ファラオ」
窘めるよう眉をひそめたイシスに、クフはバツが悪そうに口を曲げたあと、再びヘムオンに視線を移した。
「それで、私に何の用だ?」
「はい、ずっと気に病んでいたことです。今、エジプトは飢饉を迎えております。町の視察にも行ったところ、明るく賑やかだったメンフィスの町も閑散とした、すさんだ町へと化し、犯罪が横行するようになっております」
そう告げたヘムオンに、クフは「それが?」と口端を上げた。
「えっ?」
ヘムオンは驚き、目を見開いた。