【砂漠の星に見る夢】
「そうでしょう、確かに民衆は千人以上集まったんだけど、たった三ヶ月でピラミッドを建造するなんて……」
イシスがそう言いかけると、ヘムオンは苦笑を浮かべた。
「そうではなくて、三ヶ月も時間がかかったことが信じられないんですよ」
イシスは、えっ?と目を見開いた。
「ピラミッドなどオシリスの船さえあれば、数週間で建造できたはずです。それがどうして、三ヶ月も……」
「そういえばそうよね、赤のピラミッドはアッという間に建造してしまったわけだし、三ヶ月も高いお給料を払ってまで千人もの労働者を雇う意味なんてあったのかしら」
その言葉にヘムオンはハッとした様子を見せた。
「そうか、そうだったんだ。父上は、そういうつもりだったんだ」
「えっ?どういうこと?」
ヘムオンが何を理解したのか、気付かないイシスは眉をひそめた。
「母上、お願いがあります。ファラオに進言してもらいたいことがあるんです」
「一体、なにを進言するの?」
「後世に渡り、伝説となるような大きく素晴らしいピラミッドを建造することを進言してもらいたいのです」
ヘムオンはそう言い、強い眼差しでイシスを見つめた。