【砂漠の星に見る夢】
「あなたは私が毒殺されてもいいと言うのですか!」
そう叫んで手にしていたコップを投げつけたヘレスにクフが驚き目を見開くと、
「とにかくお願い致します」といって、そそくさと『王の間』を出て行った。
「……母上は一体どうしたというんだ」
呆然と漏らしたクフに、ヘレスの侍女は言い難そうに目を伏せた。
「皇太后様はもともと躁鬱の激しい方だったのですが、最近毒見係が次々に亡くなったことをキッカケに更に激しくなりまして……」
「料理に毒を盛られることが多くなったのか?」
クフが目を見開きそう訊ねると、侍女は神妙な面持ちで頷いた。
「最初はヘムオン様の差し金だと大騒ぎをしたのですが、結局皇太后様が処刑を下した者の親族や、皇太后様自身に恨みを持つ者の仕業であることが分かったのです。
そしてその犯人が信頼していた侍女だった為、皇太后様は誰も信じられなくなったご様子で、最近は眠ることもできなくなったとか……」
その言葉を訊きクフは沈痛な面持ちで、
「それは、お可哀想に……」と目を伏せた