【砂漠の星に見る夢】
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完成式の前日、宮殿で前夜祭が開かれることとなった。


王族や海外の客人、そして家臣たちは皆クフ王に賛辞の言葉を並べていた。


「あれほどの大きな建造物は、この先も現れないでしょう」


「そしてあの美しさ」


「まさにエジプト王室の権力を世界に知らしめる世界一の建造物ですな」


皆の賛辞の言葉にクフよりも、ヘレスの方が満足げな表情を浮かべ、


「そうです、偉大なクフ王の名は後世に渡り語り継がれることでしょう。民衆は
クフ王の偉大さに平伏し続けるに違いありません」

と高らかに笑い、その様子にクフは、やれやれと皮肉めいた笑みを浮かべていた。


そんな中、ヘムオンは一人バルコニーに立ち、星を眺めていた。


「ヘムオン、ここにいたのか」


バルコニーに姿を現したジェドに、ヘムオンは笑みを見せた。


「ああ、ジェド」


「影の主役である宰相ヘムオン様が、こんな所で何を?」


からかうように訊ねたジェドに、ヘムオンは何も答えずに星空を見上げた。


「また星を見てたのか?」


「―――ああ」
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