【砂漠の星に見る夢】
「今日のこの良き日にこの素晴らしい建造物の完成式を迎えることができて、心より嬉しく思う」
クフは歓声の中、笑みを湛えながらそう言って、背後の巨大なピラミッドを指した。
「この神をも驚かせるピラミッドは後世に渡り『クフ王のピラミッド』と呼ばれ続けるだろう。……しかし、このピラミッドを建造した真の賢者は……」
そこまで言いクフは前列の隅で立っているヘムオンを指した。
「そこにいる天才宰相・ヘムオンだ」
クフがそう告げる同時に、民衆は一斉にヘムオンに目を向けてウオオと地鳴りのような歓声を上げた。
「ヘムオン様!」
「ヘムオン様の偉大なピラミッド」
「偉大な宰相、ヘムオン様!」
割れんばかりに叫び続ける民衆に、ヘレスは「な、なんてこと」と立ち上がった。
「あのピラミッドは、偉大なクフ王のピラミッドだというのに!」
しかし、そんなヒステリックな声も、民衆の歓声にかき消されていた。