【砂漠の星に見る夢】

ヘムオンはひたすら自分を賛辞する民衆の反応に戸惑いの表情を浮かべていると、クフは笑顔で手を差し出した。


「ほら、父上がお呼びだよ。君が舞台に上がるまで、この歓声はやみそうにないよ」


そう言って笑顔で背中を叩くジェドに、ヘムオンは弱ったような表情を浮かべたあと、叫び続ける民衆の姿に、意を決したように舞台に上った。


すると更に割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。


鳴り止まぬヘムオンコールとまるで地響きのような歓声に、イシスは複雑な表情を浮かべた。


……どうしよう、きっとヘレス様の心中は、今すぐにでもヘムオンを八つ裂きにしたいと思っているに違いない。


心配で胸が張り裂けそうな気持ちになりながらも、堂々と舞台に立ち、嵐のような拍手と歓声を受けるヘムオンの姿を見て、イシスの目頭は熱くなった。


……ヘムオン。


このピラミッドを造り始めたころは、まだ幼い少年だった。


あれから7年の歳月が経ちヘムオンは立派な青年となり、いつしかこんなにも民衆に支持される偉大な人物へと成長したんだ。


本当に……なんて立派に成長したのだろう。


ネフェル、見てる?


あなたの子はこんなにも立派に成長しましたよ。


イシスは目に浮かんだ涙を拭った。
< 248 / 280 >

この作品をシェア

pagetop