【砂漠の星に見る夢】
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完成式が終わったあと、イシスは皆と一緒に一度、宮殿に戻った。


ヘムオンが待ってるから準備しないと……と身につけていた豪華な装飾品を外していると、


「ヘレス様のおなりです!」と侍女の声が響いた。


ヘレス様がここに?


イシスは驚きつつも跪き、ヘレスを迎える体勢をとった。


ヘレスはツカツカと部屋に上がりこみイシスの前に立ち塞がり、冷ややかな目で見下ろした。


「お立ちなさい」


その声に従いゆっくり立ち上がった瞬間、ヘレスは力一杯イシスの頬を平手打ちした。


パンッと大きな音と共に床に倒れ込んだイシスに、「イシス様!」と侍女達が血相を変えて駆け寄った。


「……ヘレス様?」


真っ赤になった頬を押さえ、呆然としながら顔を上げると、ヘレスは怒りに身体を震わせていた。


「今日ほど……今日ほど屈辱を受けたことはありません。クフ王があの偉大なピラミッドを建てたというのに、一介の家臣が英雄扱い」


そう言って床に伏せているイシスの髪をつかんだ。
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