【砂漠の星に見る夢】
「いい気味と思っているのでしょう?」
「えっ?」
「ヘムオンを育てたのはイシス、そなたです。
公の場にヘムオンを立たせクフ王に恥をかかせることで、そなたは復讐したつもりか?」
目を真っ赤にさせながらそう叫んだヘレスに、イシスは戸惑いの表情を浮かべ、「そんなこと…」と小さく首を横に振った。
「これだから星信仰は忌々しいんです。
優秀なことを笠に着せて……絶対に許しはしない。
あの女……メルサンクもそうだった。
私を無知な小娘といつも馬鹿にした目で見下していた。そうヘムオンもネフェルも内面はメルサンクそのもの。
私を無知な愚か者と常に心の中で馬鹿にしているに違いない。許さない、絶対、許さない……」
ヘレスは爪を噛みながら独り言のように呟き、部屋の中をウロウロと歩き回った。
「あ、あのヘレス様、大丈夫ですか? 良かったらお掛けになってお茶を……」
侍女がそ告げると、「どうせ毒でも入っているのでしょう!」と目を剥いて叫んだ。
そんなヘレスの様子に、部屋にいた侍女達は目を丸くし言葉を失った。
「なんです、その顔は? お前達も私が早く死ねばいいと思っているのでしょう? 私に毒を盛られるたびに心で嘲笑っているのでしょう?」
怒鳴りながらも、どこか怯えた様子のヘレスに、イシスの心は痛んだ。