【砂漠の星に見る夢】
彼女達の背中を見送りイシスは「さて洗濯しなきゃ」と洗濯籠を手に部屋を出ると、居間で寛いでいた母は、その姿に目を丸くした。
「イシス、そんな籠持ってどこに行くんだい? 帰還祭は?」
「洗濯物が早くに終わったら行くわ」
アッサリそう答えると、母は慌てて身を乗り出す。
「洗濯物…って、お前、花束贈呈に選ばれたんだろう? 早くから準備しなくていいのかい?」
「あー、はいはい、帰って来て気が向いたら準備します」
イシスはあしらうようにそう言い、そのまま家を出ると「洗濯なんて明日でもいいよ」と母親が大きな声を出していた。
イシスは母を無視して洗濯籠を持ちながら、ふんふんと鼻歌を唄いつつ軽い足取りでメンフィスの町を散歩するように歩く。