【砂漠の星に見る夢】
「これまた驚いた、こんな絶世の美女が『洗濯』をしていたなんて」
からかうように笑った彼にイシスはカーッと頬を紅潮させ、
「あ、あなたには関係ないでしょう、早く洗濯物を返して!」
と声を上げて手を伸ばすも、彼はその言葉を無視して洗濯物を広げる。
「驚きの三連発だ、絶世の美女はこんな下着を身につけているんだ」
その洗濯物が下着であることに気付き、イシスは目を剥いて身を乗り出す。
「ちょっと、やめてくださらない?」
彼は洗濯物を奪おうするイシスをひらりとかわし、楽しそうに笑う。
「今、町の者は皆、帰還祭の為に『神々の広場』に集まっているというのに君はどうして行かないんだい?」
「帰還祭なんて特に興味ないのよ。
王子様が帰って来たところで私には何の関係もないし。それより早く返して」
「……ネフェルの帰国はともかく、新型の空飛ぶ船は見たくないのかい?」
「興味はあるけど、今ある空飛ぶ船よりも凄いものが見られるとは思わないわ」
「今や、『オシリス』の技術は常識を覆すよ」
その言葉にイシスは呆れたように息をつき、腰に手を当てる。
「……このご時世、大きな声で『オシリス』を称えるのは危険よ」