【砂漠の星に見る夢】
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老人はそこまで話し少し休憩を取るかのようにゆっくり息をつき、私と雄太を見詰めた。


「あの……どうして、ピラミッドを造るといっただけで、そんなに王様は喜んだのですか?」


解せなさに小首を傾げてそう尋ねると、雄太も「うん」と頷く。


「だって、その時代では当たり前だったんでしょう?」


そう言う私たちに、老人は『そんなことも知らないのか、でもそれは仕方がないな』とばかりに小さく笑い、優しい目を見せる。


「当時、ピラミッドは財力と富の証でした。つまりピラミッドは国内外に権力をアピールする最高の象徴であったのです。
しかしピラミッドを建造できるのは一部の『オシリス』だけでした。つまりピラミッドを建造出来る者などそうはいなかったのです。
それまでファラオはピラミッドを建造したくてもできなかったのです。
そんな時に留学していた愛息子が技術と知識を身に付けて帰国し、父である王の為にピラミッドを建造してみせるといったのです。

……この時の王の喜びは計り知れず、そして第二王妃ヘテプヘレスの悔しさもまた計り知れませんでした」


その説明に私たちは、なるほど、と相槌をうつ。


「それでピラミッドはすぐ造られたんですか?」


そう言って身を乗り出すと、まぁ、そう焦りなさるな、とばかりに老人はまた笑った。




 
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