【砂漠の星に見る夢】
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ネフェルが帰国した夜、宮殿の大ホールで盛大なパーティー開かれた。


黄金の玉座に腰をかけたファラオは満足そうな笑みを浮かべ、その隣には嬉しそうに微笑むメルサンク第一王妃の姿があったが、


パーティーにはクフ第二王子を始め王妃や王族、家臣達がネフェルの帰国を心から祝っていたが、そこにヘレス第二王妃の姿はない。


ネフェルが酔い覚ましに人気のないテラスに出ると、クフはがすかさず後を追った。


「二年もこの国を離れていたのに、兄上はお変わりありませんね。安心しました」


そう声を掛けてきたクフに、ネフェルは微笑みながら振り返る。


「そういう、お前もな。そしてお前の母君も相変わらずなようだな」


「ええ、兄上が帰って来るので今日はすこぶる荒れていましたよ」


クフはクツリと笑って、ゆっくりとネフェルの隣に立つ。


「こうしてお前が私と楽しく話している姿を見たら、また火がついたように怒りそうだな」


愉快そうに笑いつつ横目で見たネフェルに「構いませんよ」とクフは余裕の表情を浮かべた。


その言葉にネフェルは驚いたように目を見開いたあと、表情を緩ませる。


「……大人になったんだな。いつも母君のドレスの影に隠れていた、あのひ弱な王子が」



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