【砂漠の星に見る夢】
いい天気……昨日もこんな天気だった。
日の光に彼の金髪と褐色の肌、吸い込まれそうな緑の瞳が輝いていた。
まるで神話に出てくるような美しい青年――――。
イシスがボーッと空を見上げていると、その『神話に出てくるような美青年』の顔がパッと視界に飛び込む。
「絶世の美女が草むらに横たわる姿は圧巻だなぁ」
突然現れニッと微笑むネフェルの姿に、イシスは目を丸くして慌てて体を起こす。
「ネ、ネフェル様、どうしてこんな所に?」
「ネフェルでいいよ。宮殿をこっそり抜け出すのは、昔からお手の物なんだ」
そう言って得意げな表情を浮かべたネフェルに、イシスは露骨に顔をしかめる。
「……王族の人間が護衛もなく外出なんて危険極まりないですよ」
「君まで侍女みたいなことを言わないでほしいな。それより敬語は使わなくていいよ。見た感じ、君と僕の歳はそう変わらないだろう?」
とイシスの顔を覗き込んだ。
「え、ええ、私は、あなたと同じ歳よ」
「結婚は?」
「まだよ」
ネフェルは、そうか、と笑顔を見せる。