【砂漠の星に見る夢】
「そういえば聞きたかったの。昨日はどうしてここにいたの? だって空飛ぶ船で帰って来たのは、その後だったじゃない」
身を乗り出してそう訊ねたイシスに、ネフェルは「ああ」と頷く。
「あの船はかなり高速での移動が可能でね、実はアッという間に帰って来られたんだよ。
だけど、せっかく帰還祭の準備をしてくれているのに、その準備が整う前に着いてしまった興醒めだろ? だから一度降りたあとまた船に乗ったんだ」
「そうだったの。王子様なのに気遣い屋なのね」
「そんなこと初めて言われたな」
「あの新型の空飛ぶ船は本当に凄かったわね。あれは今どこに?」
「宮殿の裏にあるよ。君も乗ってみたい?」
「興味はあるけど、乗るなんて……目が回らないの?」
「目が回る?」
「だって、あの船は高速で回転してたじゃない」
「よく気がついたね。あれは外側だけが回転していて内部は安定しているんだ。揺れもしないよ」
その言葉にイシスは難しい顔を見せつつ「内部が浮いているってこと?」と小首を傾げた。