【砂漠の星に見る夢】


「ちょっ、ちょっと待って」


しっかりとつながれた右手が熱く感じ、頬が紅潮することを感じていた。


しかしネフェルはそんなイシスの心中に気付かないのか、わざとなのか、手をしっかりとつないだまま平然とした様子で、楽しそうに町中を歩く。


「もうすぐ母上の誕生日なんだ。それでネックレスをプレゼントしたいと思ってね。母上はかなり若作りだから、君に選ぶのを手伝ってもらいたいと思ったんだ」


そう言って広場沿いの大きな石造りの宝石店の扉を開けたネフェルに、「はあ」と気のない返事をしつつ、店内に足を踏み入れズラリと並ぶ宝飾品にギョッと目を開いた。


王室や貴族御用達である、この宝石店に入るのはこれが初めてだった。


さすが、王室貴族御用達の宝飾店。眩いばかりに豪華だわ。


店主にたくさんのネックレスを並べさせ、


「君が素敵だと思う物を教えてもらいたいんだ」


と笑顔で告げたネフェルに『そんな大役、私でいいのかしら?』と恐縮しつつ、並べられたネックレスをまじまじと眺める。


どれも、すごく素敵だけど……とズラリ並んだ宝飾品を眺め、大きなエメラルドのネックレスを見て「わあ」と目を輝かせた。


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